「読みたいことを、書けばいい。」気になるけど買おうかは悩んでる…
ネットで要約だけ見ればいいかな…
まずはじめに、この本をネット上で要約だけ読もうと思っている方へ。
もったいないです!!
特に文章を書く仕事を、本業でも副業でも実際にしている方にとって、田中泰延さんの文章は勉強になるはずです。
なぜならこの著者、
わかりやすく文章がうまいから
私も読みながら思わず笑ってしまったり、感嘆の声をあげてしまいました。
でも本を買うのは個人の自由。それはもちろん。
そこでぜひ本書を手に取ってほしい私による、熱烈ラブレターを公開します。
正直、1人の女がここまで心を動かされたのだ!ということを主張したいだけです。
この記事では、
- この本の著者は何者か
- なぜこの人の書く文章はおもしろいのか
- 「読みたいことを書けばいい」を読むべき理由
上記を軽くご紹介します。
この本は文章を書く人間にとって大切なことを思い出させてくれ、さらに現役Webライターにとっても有意義な内容(のはず)です。
書く側の視点だけでなく、読む側の視点を取り戻す手助けにもなります。
普段書いている時に意識できていますか?
それでは本題に入りましょう!
田中泰延とは?
田中泰延(たなかひろのぶ)さんは
- 1969年生まれ
- 24年コピーライターとして株式会社電通で勤務
- 2016年に退社 ライターとして活動
私の中では「映画の感想を楽しそうに書いている人」というイメージです。
失礼かもしれません。でもとても褒めています。
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の記事URLを置いておきます。
普段はどんな風に書いているか知りたい人は読んでみてください。
本書の中でも紹介されていた記事です。
この記事を読んだ後だと、本書を書いている時は真剣に書かれてたんだな、と思わずにいられません。いえ、常に真剣というか、本気なのだとは思います。
しかし社会人として尊敬しますよね。オンオフがきっちりできるタイプのようです。
そういえば、電通で働いていた年数だけでも私の人生より長いんですから、そりゃ社会人レベルも高いですよね。
いやでもやっぱり、ここまではっちゃけれる大人ってすごいです。
私も50歳くらいにはひゃっはー!!って言ってるんでしょうかね。
今の私はまだせいぜいひょ〜〜〜!!くらいです。
説明不足感は否めませんが、人物紹介はそこそこにしておきましょう。
気になる方は後ほど、田中泰延さんのWikipediaとか記事を読みまくってくださいね。
なぜ田中泰延さんの文章は面白いの?
私はよく面白い文章に対して、
ラジオパーソナリティが原稿を読み上げるように脳内に入ってくる
と言います。
この表現は別に幻聴が聞こえるとか、頭がおかしいとかいうわけではなく、人間が行うプロセスを改めて認識しているだけです。
皆さんも本や文章を読む時、脳内で読み上げる声がしていることに気付いたことはありませんか?
今まで気付いてなくても、おそらく半数くらいの人は意識すれば脳内の声を認識できますよ。
この文章を読み上げる脳内の声は「内なる声」と囁かれ、近年調査されています。
長くなるので割愛します。内なる声について知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
上の記事を読まなくてもわかるように説明しますね。
「内なる声が聞こえるか」という質問に対する答えの統計をとった結果、82.5%の回答者が「読書中に内なる声が聞こえる」と答え、10.6%の回答者は「聞こえない」と反論しました。
これは英語圏のYAHOO ANSWERS内の出来事を調査してまとめただけなので、情報の正確性としては偏りがあると思います。
そこで日本の女子大が、大学内という小さな規模でアンケートをとったところ、その数値は約半々に分かれました。
約50%の人は聞こえるし、約50%の人は聞こえない。
さて面白い話ですが、皆さんはどうですか?
私は今、自分が書いている文章ですら読み上げる声が聞こえます。
今まで意識したことがなかった方は、少し脳内に意識を向けてみてください。
そして内なる声についての論文に関心がある方は、さっきの記事を一度読んでからこの記事に戻ってきてください。
それでは、内なる声は見つかりましたか?
内なる声に性別はありましたか?
どんな声色・様子ですか?
冒頭に戻ります。
私は自分の書いた文章を読んだら、もちろん女性に聞こえます。
しかし田中泰延さんの文章を読めば、まるでラジオパーソナリティのような声で聞こえてきます。
流暢で、明るく、爽やかな隣人のような声色です。
そして目の前にいるかのように、語り掛けられているような心地がするんです。
この人の文章こそ、リズムの良い文章なのだろうと実感しました。
そしてこのリズムの良い文章こそ、人に読まれる文章なのだと納得できます。
面白いという感情にはそれぞれ個人差がありますが、何百万pvを生み出す田中泰延さんの”それ”を体感できるのはこの本の利点でしょう。
面白いを体感する。
文豪が自分の好きな小説家の文を写経したように。
自分の中に面白いリズムを叩き込むことは、文章を書く上で大切なことです。
「読みたいことを書けばいい」を手に取るべき理由とは?
さてここまで私は書きたいことを好き勝手に述べてきましたが、「読みたいことを、書けばいい。」を手に取る理由として、改めてまとめさせていただきます。
別に私がこの本をPRしても印税とか入りませんが、心の底から「面白い、好きだ!」と思うと人に言いたくなるのは、もう人間のサガでしょうね。
リズムを学べる
知っている人もいるかもしれませんが、文豪と呼ばれるような小説家は、自分が好きな作家の文章を写経する修行を経験しています。
この授業には、「自分が面白いと思う文章のリズムを体に覚えさせる」という目的があります。
現代日本で文書作成やWebライターなどのライター業をしている方は、そこまでしたことはない方がほとんどでしょう。
現在の小説家の方でも、この方法を取った人は何割程度いるのか…
統計がないのでわかりませんが、ほとんどいないんじゃないでしょうか。
しかし昔の人はしていました。しかもパソコンもないので手書きです。
まさしく修行。
そしてそれほどまでに惚れ込む文章に出会ってもいるんです。
どれだけの本を読んだのか定かではありませんが、惚れ込める文章に出会うまで読むのが、かの小説家たちの当たり前であったのでしょう。出会ってからも読むのでしょうけど。
リズムを学ぶ、言い回しを学ぶ、なんにしても目が滑らないように噛み砕く。
そのためには写経までいかずとも、実際に手に取り、じっくり読むことが大切です。
自分の中で答えを探せる
先述しましたが、田中泰延さんの文章は、私からすればラジオパーソナリティによる語りです。隣人からの問いです。
朝食のお供、通勤のお供、ささやかな休憩時間のお供…
面識はなくてもラジオパーソナリティとリスナーの関係は、個人の中で構築されています。
そして田中泰延さんの文体は、私にとってラジオからの「おはよう」だったからこそ、自分の中で今一度「何のために書くのか」を再認識できるのです。
「なぜ書くのか」、「なんのために書くのか」Webライターとしての仕事になると、いつの間にか見失ってしまいます。
自由に書いていいのか、だめなのかすらわからず、ただ情報をまとめる機関に成り果ててしまう。
Webライティングを本業・副業に関わらず、真剣に取り組んだことのある方ならわかると思います。
遊び心がどこまで許されるのか、クライアントとの関係に酷い亀裂が生まれるのではないかと恐れてしまう。
しかし文章を書くにあたり、この感情は私を蝕んでいると改めて実感するのです。
哲学を教えてくれる本だとも言えます。
そんな考える時間をくれる本書は、要約だけではもったいないでしょう?
書いた記事をQRコード付きで紹介
さらに本書では、田中泰延さんが過去に書いた記事がQRコード付きで紹介されています!
「もっと知りたい!」にすぐに対応できる、準備の良い本です。
紙媒体の田中泰延さんも良いですが、Webサイト上の田中泰延さんを知るのも一興ですよ。
さらに裏話的なコメントも本書では記載されているので、そのコメントから興味があるものをつまんでみることもできます。
とにかく楽しい
要約記事にはない、田中泰延さんの文章の面白さがあります。
これはこの本を手に取らないと味わえないのは明白です。
(Web上の田中泰延さんの文章でも違う良さを味わえるでしょうが)
「人生が変わるシンプルな文章術」を謳いながらも、クスッと笑わせてくれる本はなかなかありません。
しかし笑うかどうかは人によってツボが違うでしょうから、「笑えなかった!」とクレームを入れられても私にはどうしようもできません。
ただ興味があるなら、存分に手に取って読み込むべきだと私は考えています。
「読みたいことを書けばいい」は要約だけじゃもったいない!
ここまで本書の内容になんて、ほとんど触れない紹介文を書いてきました。
我ながら普通に感想文です。
「読みたいことを、書けばいい。」を購入しようか悩んでいる
ネット上で要約だけ知れればいいかな?買うべきかな?
ただただ、そんな考えの方にぜひ手に取ってほしい一冊なんです。
「読みたいことを、書けばいい。」は、堅苦しいビジネス書でもつまらないハウトゥ本でもありません。
確かに文章を仕事にした人間の、おそらく素直な気持ちがこの本に載っているのだと思います。
今すでに文章を仕事にしている人も、
これから文章でお小遣い稼ぎがしたいと考えている人も、
誰のために書いているのかわからなくなってしまった人にも、
この本は考えさせ、思い出させ、書く意味を実感させてくれると思います。
書きたいことが次々と出てきてしまい、長くなってしまいました。
ぜひこの記事を読んで、本書を手に取ろうかと思っていただければ幸いです。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。