みなさん、Webライティングの案件を受ける際の規約に「AIツールを使用したライティング禁止」の表記を見たことがありますか?
私はクラウドワークスで仕事を探す際によく見かけます。
しかし、なぜそのように言われているのか知っていますか?
人に業務委託するんだからAIツール使われたら意味ないから?
AIツールははちゃめちゃな日本語を使うから?
今回は、
AIにWebライティングを任せると起きること
AIの書く文章と人間の書く文章の違い
AIによるWebライティングの問題点
AIによるライティングが禁止されている理由
AIによるWebライティングの今後は?
といった内容でご紹介します。
「AIライティング自体には興味ないから知りたいとこだけ教えて!」
という方は目次からジャンプして気になるところだけチェックしちゃってください。
それでは順番に見ていきましょう!
AIにWebライティングを任せると起きること
まずはじめに、AIにWebライティングを任せると起きることを、メリット・デメリット別にご紹介します。
AIライティングを利用する場合には、下記のメリット・デメリットを加味した上で使い方を考えましょう。
AIにWebライティングを任せるメリット
何よりも時短になる
「時短」これが1番のメリットと言えます。
リサーチの時間、構成を考える時間、文章を考える時間…人間なら3時間かかるような作業も5分10分で終わってしまう。それがAIライティングです。
国語が壊滅的に苦手な人や、筆の遅さに悩んでいる方には助け舟とも言える技術ですね。
自分のよく知らないジャンルでも対応できる
AIはネット上のさまざまな情報を集めて記事を作ります。
よって書いて欲しいと指示した人間が、そのジャンルの知識がなくとも問題ありません。
もちろん有識者による校正があれば1番です。
しかしAIにライティングを任せる場合は、人件費を削れるというのもメリットですので、校正を別に雇う人というのも少ないでしょう。
知識のない人間がよくわからないままに、世間に誤った情報を流すことは避けたいところです。
AIライティングを使用してサイトを運用する方には、しっかり正確な情報か、裏をとっていただきたいですね。
誰でも簡単に文章が書けるようになる
2000文字なら普段から難なく書ける!という方でも、1万文字と言われるとハードルが高く感じる…
そんな事態もAIにライティングを任せれば、簡単に解決します。
AIライティングでは、文字数指定をすればその通りに書いてくれます。
文章を書くことへのハードルや、新たにサイトを開設するハードルが大幅に下がり、ライティング市場がさらに盛り上がることは間違いありません。(人間の仕事が増えるかは定かではありませんが…)
AIにWebライティングを任せるデメリット
メリットを知ったところで、デメリットも合わせて見ていきましょう。
現在多くのWebライティング案件で禁止されるということは、それだけの理由があるはずですよね。
しっかり理解していきましょう。
間違った情報から文章が生成される可能性がある
AIがライティングする際には、ネット上のあらゆる情報を引っ張ってきて文章にします。
そう聞くと、AIライティングは多くの情報を網羅しており、魅力的に写りますよね。
実際AIライティングは情報量が多いです。
しかし、みなさんご存知のように、ネット上には正しくない情報も多く出回っています。
そういった正確でない情報や、個人の書いた私信、思想の偏った情報なども、AIライティングでは採用されてしまう可能性が出てくるわけです。
つまりWebライティングの基本、「正確な情報である」という原則が脅かされてしまいます。
Webライティングの案件でAIライティングが敬遠される理由の1番は、この情報の不正確性だと考えられます。
不自然な文章の場合がある
自動生成された文章には、不自然な言い回しや接続の見られるものも多いです。
明らかに不自然な文章は読みづらく、Webライティングとしては初歩的な改善点です。
もちろん、AIが生成した文章を8割採用して、そういった不自然な文章だけを直してコンテンツとすることは可能です。
情報の不確実性が懸念されているという点を除けば、そういったライティング方法も可能ではあるでしょう。
盗作になる可能性がある
創造的で独創的なライティングがWebライティングには求められますが、ネット上にある情報を引っ張ってきてライティングを行うAIライティングでは、その独自性が失われます。
さらにネット上の文章から引っ張ってくるので、誰かの文章を盗作している可能性もあります。
Webライターとしては致命的です。
GoogleのSEO面で不利になる可能性がある
現在、Google側の見解としては、AI生成のコンテンツはスパムにあたる可能性が指摘されています。
Googleは常にユーザーファーストであり、AI生成のコンテンツであろうと、いかにユーザーの利益になるかで変わってくると言います。
現在では「検索順位を上げるために作られたAI生成のコンテンツはスパム」という扱いになるようです。
扱いが難しいところがありますので、大きな会社のウェブサイトなど、出来上がっているサイトでのAIの使用は問題ないかもしれませんが、始めたてのサイトや、一生懸命作ったサイトでAI生成のコンテンツを上げることは、まだリスクがあるように感じます。
AIの書く文章と人間の書く文章の差
まずはじめに、AI生成の文章と人間が書いた文章の見分けは、どの程度の人ができるのでしょうか?
これは短い文章での検証結果ですが、AI生成の文章と人間が書いた文章の見分けがつくかどうかは五分五分なようです。
「約50%の人にしか見分けがつかないのかぁ…」
と思われたかと思います。
しかしこれが長い文章になれば結果は変わります。
それではAI生成の文章が人間の書く文章とどんな違いがあるか、ご紹介します。
情報のまとまり方
AI生成の文章では、情報のまとまりがないことも指摘されることがあります。
人間の日常生活でも稀にありますが、話の脱線のような状況です。
しかし人間の話の脱線は流れがあるため、気付きますし何の話かもわかります。
しかしAI生成の文章での脱線は突然別の情報、関係性のない情報が盛り込まれる可能性があります。
この文章のまとまり方、情報のまとまり方の差が、人間の書いた文章と大きく違うポイントです。
文章の不自然さ
AIライティングのデメリットでもご紹介しましたが、AIの生成した文章では文章の不自然さが目立ちます。
時には文脈が抜けていたり、語尾の一貫性や接続語の挿入、言葉選びなどに不自然さが出ます。
この不自然さもAIの文章と人間の文章の大きな違いです。
誤字脱字
文章の不自然さにも含まれますが、誤字脱字が多い傾向も指摘されています。
語彙の生成がまだ完璧ではなく、思わぬ誤字脱字がある場合があります。
AIライティングは人間の書いた文章より誤字脱字が多いのも特徴的です。
検索ワードの過剰さ
次に、SEO対策を意識したライティングをAIに依頼した場合に、検索キーワードが過剰に使われることがあります。
あまり頻繁に検索キーワードが出てくる文章は読みづらいですよね。
しかしその読みづらさをAIは感知できません。
SEOに良いと考えて、不自然な文章になってしまい、結果、SEO評価が下がってしまうことも考えられます。
こういった不自然な検索キーワードの多さもAIライティングには目立ちます。
AIによるWebライティングの問題点
これまで紹介してきたように、AIライティングにはまだまだ問題点が多くあります。
しかし今後は改善されていき、よりAIによるライティングが主流になる日も来ることでしょう。
そこでAIによるWebライティングの問題点は、Webライターの仕事の激減です。
しかしそれだけではありません。
その状況が進めば、文章を書く仕事、物語を書く仕事、歌を書く仕事、などの「書く仕事」が減る可能性があります。
さらに人間の国語力、文章力は、それに比例して下がっていってしまうでしょう。
学習段階の子供で、国語を「将来何の役にも立たない教科」だと思っている子は、国語を蔑ろにします。
美しい言語を操れない人間が増えてしまうことは悲しいですよね。
さらに、AIが正確な情報と間違った情報の区別がつけられない段階で、AIライティングを大量に取り入れれば、ネット上の情報の混乱が考えられます。
昨今ではネットリテラシーが学校教育でも盛んです。
しかし実際に生活していると、ネットの情報を鵜呑みにしてしまう、ということは多々起きます。
「ネットリテラシー」…インターネット・リテラシーの略
インターネットの情報を正しく理解し、適切に判断、運用できる能力
AIの情報の正確性が確立されるまでに、AIライティングを取り入れてしまえば、
・インターネットに対する不信感が募る
・インターネット上の情報の混乱
・誤った情報が正しい情報だという錯覚する人が増える
など、良くないことが起こることが容易に予想できます。
AIにライティングを任せることが近い将来、主流になるでしょう。
しかし今はまだ早い、というのが正直な感想です。
まとめると、AIによるWebライティングの問題点は下記です。
・将来的に見た、人間の文章力・国語力の低下
・インターネット上の情報の混乱
AIによるライティングが禁止されている理由
冒頭にもお伝えしましたが、現在、AIによるWebライティングは禁止されていることが多いです。
なぜAIによるライティングが禁止されているのか、下記にまとめ、ご紹介します。
情報の不正確さ
AIライティングのデメリットでもお伝えしましたが、AIライティングが禁止される理由では、情報の不正確さが上位に入ります。
また誤字脱字の多さも、同様に事実として敬遠されます。
AI自体に情報の判断能力がついたり、誤字脱字のない自然な文章を書けるようになれば、より広く利用されるはずです。
法的ルールが整備されてないため何があっても責任がとれない
AIがライティングをして、盗作、著作権違反、差別表現、誤情報の拡散、それが判明した時の信用問題…
これらを解決する術が、まだまだ足りません。
雇った側としては、雇われた側が勝手にしたことであれ、責任問題や法的措置になると多くの労力がかかってしまいます。
避けたいのは当然ですよね。
SEOで不利になることが考えられる
現在の日本、および世界のSEOでは、Googleのアルゴリズムに対応することがもっとも効果的です。
世界でのGoogleのシェア率は85%を超えており、日本では77%です。
そして日本でシェア率の高いYahoo! もGoogleと同じアルゴリズムを取り入れています。
Yahoo! のシェア率も合わせると実に91%以上のシェアを、Googleのアルゴリズムが握っているのです。
そのGoogleがAIによるライティングを支持していない現段階では、クライアント側もSEOで不利になることを懸念しますよね。
そのため禁止しているところも多いです。
とりあえず禁止している
そもそもクライアント側がAIライティングがどういったものかわからないので、とりあえず禁止しているということもあります。
現段階では、せっかく人間のWebライターにお金を払って依頼するなら、AIを使わずにその人に文章を考えてもらった方が安全です。
したがってAIライティングを禁止するのは妥当だとも考えられます。
AIによるWebライティングの今後は?
AIライティングの今後の可能性には、大きく分けると2つの道があります。
①ルールやAIの問題点を解決してより広く実用化
②全面禁止
それでは内容についてご紹介します。
①ルールやAIの問題点を解決してより広く実用化
これはおそらく多くの人が望む方向性でしょう。
しかしAIをより広く実用化するには、まだ法的、モラル的ルールが足りません。
AIライティングに著作権はあるのか?
AIが書いた文章の盗作率が高かった(例えば一言一句同じ内容が多くあった)場合、どこに責任が生まれるのか?
学校のレポートなどのAIの使用を禁止されているところで、AIライティングを使用したらどうなるのか?またその抑制法は?
上記のように、問題は多く、難解です。
技術者、政府、教育者といった方々の選択に注目です。
しかし先述したように、AIライティングはWebライティングにかかる時間をかなり短くしてくれます。
AIを引け目なく使用できるようになれば、多くのライター、ライティングに関わる仕事が減ることが考えられます。
しかし現状のAIの精度であれば、校正などの仕事はまだまだ必要かもしれません。
今Webライターにできることは、AIライティングに負けない何かを見つけることでしょう。
②全面禁止
日本では現在、ChatGPTなどのAIに対する規制はありません。
しかし各国ではChatGPTの規制の動きがあります。
ヨーロッパ、アメリカ、中国、ロシアなどの国ではすでに規制が入っています。
制度が整っておらず、規制がないため子どもの発育に良くないという意見があったようです。
AIに対するルールや規制が決まらず、誰でも利用できる状況の危険性が露見すれば、日本も規制の方向に向かうことは考えられます。
まとめ
AIは便利な反面、それだけ危険性も持っているからです。
日本では現在自由に使えますが、今後の動きはどうなっていくか、まだ見えません。
しかしこのChatGPTが利用できる間にも、人によってはAIライティングを取り入れたり、別のAIにWebライティングをさせている人もいます。
私はWebライターを目指している人に「AIライティングを早く取り入れましょう!」と言いたいわけでも、「AIライティングは悪だ!」と言いたいわけでもありません。
メリット・デメリットを理解し、問題点を理解した上で、AIライティングを利用するか否かを決めていただくために当記事を書きました。
人間は文章の美しさを理解します。
可能であれば、私は美しい文章が溢れた世界で生きたいものです。
みなさんのご意見もぜひ聞かせてください。
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